21世紀の社会が求める価値観へ
新たなモノづくり「個の量産」、“量”と“個”の融合が拓く未来
2011年に新たにスタートしたシチズンマシナリーは、
新時代に対応した生産システムの革新により成長を目指してきました。
シンコム及びミヤノという2つのブランド製品が持つそれぞれの強みを生かし、さらなる進化を図りながら、
その高度な融合による新たな価値の創造へ、日夜挑戦を続けています。
2013年からは「世界最先端の生産革新ソリューション(=『個の量産』)を提供し、
新・モノづくりの企業ポジションを確立する」という事業ビジョンを策定。
お客様の企業価値を高めていただくための取り組みを強力に推進しています。
キーワードは、『個の量産』。
コストカットを求めるビジネスモデルが限界に近づきつつあるなか、
モノづくりの様々な生産性の高さを付加価値としていくことがさらに求められています。
私たちはお客様のパートナーとして、高生産性を実現していただくため、
相反する“量”と“個”の融合、両立による革新のモノづくりの提供を目指しています。
大量生産にも「適種」、「適量」、「適地」、「適時」生産にも対応できる新・自動旋盤の開発。
ICT(Information & Communication Technology)を活用したalkapplysolution(アルカプリソリューション)製品。
また、機能モジュールを組み合わせることで多様なモデルを開発できるモジュラーデザインの導入による、
お客様のニーズに応じた機械の迅速な生産――。
開発、生産、営業各部門のノウハウを結集して、『個の量産』の価値を実感いただけるモノづくりを提案していきます。
現代は、加工が複雑化し、多様な製品を量産しなければならない時代です。
シチズンマシナリーは、お客様のモノづくりの革新をともに実現させていくことを使命に、
『個の量産』をキーワードにしてさらなる高次元の価値づくりに挑んでいきます。
先進的技術開発で最適な部品加工を提案
シチズンの時計部品製造を源流にもつシンコムは、1970年に世界で初めてのNC自動旋盤として誕生しました。主軸台移動形CNC自動旋盤を中心としたラインナップは、高精度かつ高速の加工を得意としており、使いやすさでも定評があります。
シンコムは、時計部品製造で培った小径高精度加工技術・小型化技術のみならず、多軸多系統・重畳制御など高生産性を実現するNC制御技術、自動旋盤用のネットワーク技術など先進的な技術を開発・商品化し、高い操作性の自動旋盤とともにグローバルに提供し続けてきました。
また豊富に蓄積された加工ノウハウの活用により、個々の部品加工ニーズに合った最適なアプリケーションを提案し、自動車・医療・ITを始め幅広い業界のお客様のモノづくり革新に寄与しております。
“強さ”に世界中から高評価
ミヤノは工業用精密鑢(やすり)の製造に端を発し、1948年には国産初のカム式自動盤の開発に成功、その後、自動盤・CNC自動旋盤のブランドとして発展を続けてきました。重切削を可能とする高剛性の主軸台固定形CNC自動旋盤を主力に、その“強さ”は世界中のお客様から高い評価を受けています。
ベストセラー製品のBNA、BNJ、BNEシリーズを始め、素形材加工機、多軸自動旋盤をラインナップするとともに、周辺機器を含むトータルソリューションで、モノづくりの多彩なニーズに対応してきました。自動車部品・建機・油空圧機器分野を中心に、お客様の生産ラインに信頼性と耐久性の高い機械を提供し続けています。
“量”と“個”の両立で
21世紀型モノづくりを支援
同じ部品を一定時間に数多く生産する――。
それが、従来の自動旋盤の原点でした。一方で大量生産化とニーズの多様化が進むなか、21世紀のモノづくりには大量生産と変種・変量生産という、両極のトレンドへの対応が求められるようになっています。そうした“量”と“個”の両立・融合へ向けた動きへの一つの回答が、マルチステーションマシニングセル「MC20」です。
新・自動盤はシチズンマシナリーがシンコム及びミヤノブランド製品で培ってきた技術とノウハウに加え、工程分散型生産を最適に実現するモジュール構成と、複数異部品の混流生産を実現する統合型多系統並行制御の開発により、大量生産の超高生産性と変種・変量という自由度の双方を両立、『個の量産』コンセプトを製品として具現化しました。更に多機能モジュールの搭載など、シリーズ化による進化を続け、21世紀型モノづくりの実現を支援してまいります。
最新のネットワーク技術と
蓄積した加工技術で
トータルソリューションを提供
alkapplysolutionは、お客様の技術者不足という課題にフォーカスしたモノづくりソリューションサービスです。
会員制のシチズンマシナリーのWebサイトから提供し、お客様の技術者の教育やレベルアップをサポートし、NCオプションや複雑加工に役立つシチズン製マクロをいつでも使用したい時間だけ購入することが可能で、工場の生産性向上につなげることができます。
さらに、プログラミングノウハウを集約した加工シミュレーション付きクラウド型対話プロalkartpro2cloud、生産の進捗や機械の運転・停止などの稼働情報を管理できるalkartliveもシリーズ化しています。
さらなる生産性向上を実現する
新時代の加工技術
今までの旋削加工では、 切りくずの分断が難しく工具や加工物に絡まったり、加工物表面に傷を付けたりし、さらに絡まったまま加工を続けると工具摩耗や欠損を引き起こすなど、生産性を大きく低下させていました。このような加工上の永遠の課題を解決したいという思いから、切りくず処理のイノベーションとしてLFV(低周波振動切削)技術の研究に着手し製品化に成功しました。
2013年秋、VC03で発表後、バー材加工の自動旋盤への搭載を進め、現在では国内のみならず欧州・米国においても先進性が認知され、自動旋盤の必須技術として確固たる地位を確立しつつあります。今後も切りくずに関わる課題を解決すべく研究を継続し、お客様の生産性向上に貢献してまいります。